アメリカ合衆国憲法では、「文民統制」と言う原則が記述されています。それは、軍隊を統括する司令官は、「大統領の命令に従わなければならない」とする原則です。すなわち、大統領は、軍が実行する全ての作戦に対して責任を持ち、その作戦計画について、必要位の説明を受け、その作戦計画を承認することが決められています。

第2次世界大戦中の、広島への原子爆弾投下と、それに続く長崎への原子爆弾投下作戦に関するグローブス准将の行動は、「トルーマン大統領の明確な作戦命令の承認がなかった状況での作戦実施であり、この文民統制の原則に反していた」とする歴史学者の指摘は、大統領自身にとっても「政治上の失策であった」との疑惑を生みます。